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資料1-2-3-1   薬機法に基づく製造販売業者からの副反応疑い報告状況について(コミナティ筋注・集計対象期間における基礎疾患等及び症例経過) (781 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000208910_00056.html
出典情報 第89回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、令和4年度第21回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(合同開催)(12/16)《厚生労働省》
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それにより、彼は病院に紹介された。血圧 116/59 mmHg、脈拍数 100
回/分、体温 37.2℃であった。呼吸困難、血痰はなかった。肺でラ音
聴取はなかった。入院時の検査では、腎機能、尿検査パラメータに改
善はなかった。MPO-ANCA の抗体価は著しく高かった(Table)。胸部
コンピューター断層撮影(CT)は、いくつかのの小結節状影を示した
(Fig.1)。診察時、Birmingham Vasculitis Activity Score
(BVAS)は 18 であり、広範囲の疾患活動性を示した。

臨床的に患者を急性進行性糸球体腎炎と診断した。

彼は、副腎皮質ステロイドパルス投与(500 mg のメチルプレドニゾ
ロン静脈内投与を 3 日間)、続いて 1 日量 0.8 mg/kg のプレドニゾロ
ン(PSL)投与で治療された。

入院 3 日目、血清クレアチニン濃度は 8.51 mg/dL まで悪化し、間欠
的血液透析が開始された(Fig. 2)。

PSL 治療 6 日後、腎生検が行われた。ほぼ全ての糸球体で、細胞性半
月体、分節状壊死、ボーマン嚢の破壊が見られた。光学顕微鏡検査
で、小血管のフィブリノイド壊死、血管内皮細胞増殖、間質性線維
症、腎尿細管の萎縮がみられた(Fig. 3)。IgG、IgA、IgM、C3c の免
疫蛍光染色では陰性の結果であった。

MPO-ANCA 血管炎による pauci immune 型半月体形成性糸球体腎炎の診
断が下され、リツキシマブ(375 mg/ m2)を開始した。

腎機能は入院 1 週後に改善し、血液透析は入院 11 日後に中止され
た。

リツキシマブは、サイトメガロウイルス関連肝炎と血小板減少症のた
め、2 回投与された。

全身症状は消失し、血清クレアチニン濃度は 2.2mg/dL と安定し、胸
部 CT で小結節状影の大きさの減少が認められた。BVAS は、退院時 7
であった。

考察:

結論として、全身症状が長びく、または腎臓の異常が現れる時は、臨
床医は AAV の可能性を考慮すべきである。

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