よむ、つかう、まなぶ。

MC plus(エムシープラス)は、診療報酬・介護報酬改定関連のニュース、

資料、研修などをパッケージした総合メディアです。


資料1-2-3-1   薬機法に基づく製造販売業者からの副反応疑い報告状況について(コミナティ筋注・集計対象期間における基礎疾患等及び症例経過) (255 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000208910_00056.html
出典情報 第89回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、令和4年度第21回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(合同開催)(12/16)《厚生労働省》
低解像度画像をダウンロード

資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。

臨床経過:患者は31歳、1型糖尿病だった。

糖尿病の診断前、彼女は健康で学校の健康検査で異常を示さなかっ
た。20 歳時、近隣の医師を受診する前に風邪症状の後、口渇、多飲
症と多尿症が発現し、体重が減り始めた(1か月で 5kg)。

現在の症例は自己免疫疾患に対して高い遺伝的素因を持っていたの
で、ファイザー-BioNTech SARS-CoV-2 ワクチンがこの症例にお
けるグレーブス病の発現を引き起こした可能性がある。ファイザーBioNTech SARS-CoV-2 ワクチンの使用に関連する可能性のあるグ
レーブス病のいくつかの症例が報告されており(5-8)、初回接種 2
〜8 週後に疾患が発現すると記録された。現在の症例が初回接種直前
に臨床的に甲状腺機能正常だったかは確かではない。しかし、患者は
ファイザー-BioNTech SARS-CoV-2 ワクチン初回接種後、28 日以
内にグレーブス病の徴候を示した。患者の平均血糖値は初回接種(X
日+1)後上昇し、TDD 増加にもかかわらず高いままであった。さら
に、患者の甲状腺ホルモン濃度は 2 回目接種日( X 日+21)に上昇
し、X 日+28 にさらに上昇した。

自己免疫疾患と時々関係するアルブミン/グロブリン比率は、X 日+28
に減少した。発汗や動悸のようなグレーブス病に関連した症状は X 日
+21 の 2 回目接種後に明らかとなり X 日+ 28 まで持続した。

交絡およびマスキング要因により、接種と有害事象の因果関係を明確
にすることは困難である。さらに、医師は接種と関連したまれな潜在
的有害事象を把握していない可能性がある。

現在、ファイザー-BioNTech SARS- CoV-2 ワクチンがどのようにグレ
ーブス病を引き起こすか明らかでない。RNA 自体や RNA をカプセル化
する脂質ナノ粒子が、ASIA としてグレーブス病を引き起こすファイ
ザー-BioNTech SARS-CoV-2 ワクチンを助ける働きをする可能性
があり、ファイザー-BioNTech mRNA によってコード化されるSAR
S-CoV-2 スパイク・タンパク質がグレーブス病を引き起こすヒト甲
状腺のタンパク質で交差反応する可能性があることも示唆された。

因果関係を決定し発症機序を特定するために、さらなる調査が必要で
ある。1 型糖尿病患者のおよそ 20%〜25%は甲状腺の抗体を持ってお

255