よむ、つかう、まなぶ。

MC plus(エムシープラス)は、診療報酬・介護報酬改定関連のニュース、

資料、研修などをパッケージした総合メディアです。


資料1-2-3-1   薬機法に基づく製造販売業者からの副反応疑い報告状況について(コミナティ筋注・集計対象期間における基礎疾患等及び症例経過) (974 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000208910_00056.html
出典情報 第89回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、令和4年度第21回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(合同開催)(12/16)《厚生労働省》
低解像度画像をダウンロード

資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。

2022/02/10 のワクチン接種前の体温は摂氏 36.5 度であった。

接種後は 2 日ほど摂氏 37.5 度の微熱があったものの解熱した。しか
し、その後寝られないほど全身の節々の痛み、疲労、倦怠感や、尿の
濃染といった症状が出現した。かかりつけ医を受診して採血したとこ
ろ、血液凝集があった。部屋を摂氏 37 度で加温後再び採血した。赤
血球数(RBC/ul と報告された)、ヘモグロビン(Hb と報告された)
8.2 g/dl、ヘマトクリット(Hct と報告された)24.6 %、MCV100.8fl
の正球性貧血を認めた。

かかりつけ医は関節リウマチを疑い、抗体やリウマトイド因子、抗
CCP 抗体を検査したがいずれも陰性であった。

手指の痛みの症状が強かったことから患者は神経内科に紹介された。
神経内科では末梢神経障害の診断となり、Vit B12 が処方となった。
貧血は指摘されたものの、鉄とフェリチンのレベルは正常範囲内であ
った。したがって、それ以上の検査は行われなかった。

その後も手指の痛みや疲労は改善しないため、患者は血液内科外来を
受診した。この時点で、Hb 濃度は 11.1g/dl で回復傾向であったが、
血液検査で凝固が何度か認められた。寒冷凝集素の著明な上昇、直接
Coombs 試験陽性、ハプトグロビンの低下、網状赤血球数の上昇が見
られた。血液像では赤血球の凝集が観察された。ウイルスの先行感染
を考慮し、マイコプラズマやエプスタイン・バーウイルス抗体(EBV
と報告された)、サイトメガロウイルス検査(CMV と報告された)、
HIV 抗体(HIV と報告された)とパルボウイルスを検査したがいずれ
も陰性であった。

したがって、感染症に続発したものとは考えられなかった。便潜血検
査は陰性、上部消化管内視鏡検査で出血は認められなかった。骨髄検
査では明らかなリンパ腫の存在は指摘できなかった。また、コンピュ
ータ断層写真(CT と報告された)では明らかな腫瘍は認められず、
溶血性貧血を引き起こすような薬剤の内服もしてないことから、特発
性の寒冷凝集素症であると考えられた。

本患者はワクチン接種後 2 ヶ月程で自然に貧血は軽快した。そのた
め、治療介入はせず経過観察となった。しかし、寒冷凝集素は高いま
まであり、倦怠感や関節痛といった症状も持続している。

2022/10/13 現在、事象の転帰は、未回復であった。

報告医師は事象を非重篤と分類し、事象は BNT162b2 と関連ありと評

974