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資料1-2-3-1   薬機法に基づく製造販売業者からの副反応疑い報告状況について(コミナティ筋注・集計対象期間における基礎疾患等及び症例経過) (35 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000208910_00056.html
出典情報 第89回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、令和4年度第21回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(合同開催)(12/16)《厚生労働省》
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麻痺が出現した。麻痺スコアは 4/40 で他に有意な異常は認めなかっ
た。VZV-lgG は測定上限以上で推移したため、VZV の関与ありと判断
し Bell 麻痺ではなく ZSH と診断した。同様に保存的治療を行い、麻
痺は 8/40 とわずかに改善したものの依然として重症であったが、手
術希望なく外来通院へ移行した。

症例 3 は 51 歳男性。COVID-19 ワクチンの接種 8 日後に左顔面神経麻
痺が出現した。麻痺スコアは 4/40 で他に有意な異常は認めなかっ
た。Bell 麻痺として同様に保存的治療を行い、麻痺は 20/40 と改善
良好で退院した。

症例 4 は 54 歳男性。インフルエンザワクチンの接種 3 日後に右顔面
神経麻痺が出現した。麻痺スコアは 4/40 で他に有意な異常は認めな
かった。Bell 麻痺として同様に保存的治療を行い、麻痺は 18/40 と
改善良好で退院した。

ワクチン接種後の顔面神経麻痺や顔面痙攣など顔面神経関連の副反応
は、mRNA

COVID-19 ワクチンでは副反応全体 133,883 例中で 844 例

(0.6%)の報告があり、インフルエンザワクチンでは 314,980 例中で
2087 例(0.7%)、その他のウイルスワクチンでは 1,265,182 例中で
5734 例(0.5%)の報告がある。顔面神経麻痺が生じるメカニズムにつ
いては、COVID-19 ワクチンでは 46%の被験者がワクチン接種後数日以
内に一過性のリンパ球減少をきたしており、それがウイルスの再活性
化を引き起こすのではないか、そのリンパ球減少には 1 型インターフ
ェロンが関与しているのではないかとの報告がある。インフルエンザ
ワクチンでは、添加物である大腸菌由来のアジュバントが細胞内で免
疫調節反応を引き起こすことで再活性化が生じるのではないかとの報
告がある。

当科で経験した上記 4 例のうち症例 1 および 2 においては、初診時の
リンパ球数が相対的に低下しており、入院後日数が経過するとともに
増加傾向を示し正常範囲への回復がみられた。一方、症例 3 および 4
では初診時のリンパ球減少はみられず、経過中もリンパ球の変動は認
めなかった。症例 1 および 2 のリンパ球減少が有意なものか、どの程
度の変動があればウイルス再活性化が生じるのかについては定かでは
ないが、確かに過去の報告のようにワクチン接種後数日以内のステロ
イド投与を行う前の段階で一過性のリンパ球減少が生じており、これ
ら 2 症例はウイルス抗体価からも VZV 再活性化が証明されたことは興
味深い結果である。

当科で経験したワクチン接種後に発症した顔面神経麻痺の 4 例につい
て報告した。ワクチン接種と顔面神経麻痺との因果関係については依

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