よむ、つかう、まなぶ。

MC plus(エムシープラス)は、診療報酬・介護報酬改定関連のニュース、

資料、研修などをパッケージした総合メディアです。


資料1-2-3-1   薬機法に基づく製造販売業者からの副反応疑い報告状況について(コミナティ筋注・集計対象期間における基礎疾患等及び症例経過) (1240 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000208910_00056.html
出典情報 第89回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、令和4年度第21回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(合同開催)(12/16)《厚生労働省》
低解像度画像をダウンロード

資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。

ネフローゼ症候群の結果として、治療的な処置がとられた。

患者死亡日は不明であった。

報告された死因:「E.coli による敗血症」。

検死で「ステロイド抵抗性ネフローゼ症候群/微少変化型ネフローゼ
症候群」(ネフローゼ症候群)が明らかになった。

臨床経過:

患者は 70 代の男性であった。

現病歴:受診一ケ月前に COVID-19 ワクチン 1 回目接種をした。その
際尿検査で異常所見はなかった。

受診 2 日前の 2 回目接種の際に下腿浮腫を自覚した。その後全身浮腫
が出現したため病院を受診した。ネフローゼ症候群のため腎生検を施
行し微少変化型ネフローゼ症候群(MCNS)と診断した。ステロイド抵
抗性を示し、シクロスポリン、LDL アフェレーシスを併用するも治療
に難渋した。

尿蛋白は徐々に減少したが、E.coli による敗血症を来しその後死亡
した。

病理解剖で腎組織は MCNS と矛盾しない所見だった。

考察:mRNA ワクチンは COVID-19 の発症/重症化の予防に大きく寄与
する一方で、ワクチン接種後に活性化された T 細胞によるポドサイト
障害が MCNS の発症を惹起する可能性が示唆されている。これまでに
報告されている mRNA ワクチン接種後のネフローゼ症候群は、その多
くがステロイドへの反応性が良好であると報告されており、ワクチン
接種がもたらす COVID-19 の発症/重症化予防の benefit が腎炎発症の
risk を上回ると考えた。しかし、本症例のようにステロイド抵抗性
を示し難治性になる可能性も考慮する必要がある。

1240