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資料1-2-3-1   薬機法に基づく製造販売業者からの副反応疑い報告状況について(コミナティ筋注・集計対象期間における基礎疾患等及び症例経過) (1066 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000208910_00056.html
出典情報 第89回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、令和4年度第21回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(合同開催)(12/16)《厚生労働省》
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甲状腺機能検査:安定、8 年前から;改善;

FT:5.56 ng/ml;

FT3:21.60 pg/mL。

治療処置はバセドウ病、状態悪化の結果として実施された。

臨床経過:

48 歳男性。

現病歴:

9 年前に Basedow 病の診断で MMI を開始。8 年前から MMI

2.5mg/日

で甲状腺機能は安定していたが自己抗体陽性が持続。Day X-15、
SARS-CoV-2 ワクチン(BNTI62b2)を接種。
怠感、労作時動悸を生じ、Day
覚し DayX に当科受診。

DayX-7 から手指振戦、倦

X-2 に運動時の動悸、下腿浮腫を自

TSH 感度以下、

FT321.60pg/mL、

FT45.56ng/mL であり Basedow 病増悪として入院。BMI 22kg/m2、意
識清明、びまん性甲状腺腫、下腿圧痕性浮腫あり。

TRAb

471%、

TSAb12.61U/L と上昇し、心臓超音波で EF 71%とやや過収縮だが心不
全徴候なく、MMI 15mg/日に増量し、甲状腺機能改善とともに浮腫も
軽快した。

考察:

本症例は BNT16b2 接種を契機に増悪したと考えられた。近年、
SARS-CoV-2 ワクチンによる亜急性甲状腺炎、橋本病、

Basedow 病の

新規発症が報告され、免疫系への影響が懸念されている。精神的・身
体的ストレスも Basedow 病の増悪因子となるが、本症例は 8 年間甲状
腺機能が安定しており、自己抗体上昇を伴っていたことからワクチン
が免疫系に作用した可能性も考えられた。

結語:

SARS-CoV-2 ワクチン接種時には Basedow 病の悪化に注意する必要が
ある。その機序として免疫系への影響も懸念され、今後の症例の蓄積
が重要と考えられる。

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