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資料1-2-3-1   薬機法に基づく製造販売業者からの副反応疑い報告状況について(コミナティ筋注・集計対象期間における基礎疾患等及び症例経過) (95 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000208910_00056.html
出典情報 第89回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、令和4年度第21回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(合同開催)(12/16)《厚生労働省》
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本症例で、COVID-19 ワクチン接種後、複数回の心臓磁気共鳴画像
(cMRI)検査を実施し、急性期後も遅延造影(LGE)陽性を示した、
心筋症と診断された 15 歳思春期男性の症例を報告する。

2 回目 COVID-19 ワクチン(BNT162b2)接種 3 日後早朝に、患者は胸
部不快感を訴えた。その朝患者は近医受診し心電図(ECG)が実施さ
れ、II、III、V3-6 誘導で ST 上昇が示された。胸部不快感は解消
し、症状は時間経過とともに収まったが、次の日さらなる検査のため
病院に紹介された。臨床症状と経過に基づき COVID-19 ワクチン接種
に起因する心筋炎と診断され、病院に入院した。入院時、身長 170.2
cm、体重 56.2 kg、血圧 112/68mmHg、心拍数毎分 64 回(bpm)、呼
吸数 20/分、酸素飽和度(SpO2)98 %(室内気)、体温 36.6 度であ
った。血液検査でトロポニン(0.351 ng/mL)が顕著な上昇、pro-B
型ナトリウム利尿ペプチドN端フラグメント(NT-pro BNP,127 pg/mL)
と C-反応性蛋白 (CRP, 0.92 mg/dL)が軽度上昇であり、白血球
3800/lL, 好酸球 1.7%、ヘモグロビン 13.8 g/dL、血小板 152 000/lL
であった。標準 12 誘導心電図では、V4‒
5 で ST 上昇を示した。

心エコーでは、駆出率 62%と左室収縮正常であり、臨床的に問題とな
る房室弁不全はなかった。症状が軽微で体調良好のため、治療介入せ
ず経過観察することに決定した。

入院第 6 病日(発症 6 日後)、トロポニン T 0.008 ng/mL、NT-pro
BNP 31.0 pg/mL と検査値は正常化した。

心臓 MRI は、心基部中隔から下側壁にかけて軽微な dyskinesis を示
した。black blood T2WI 2 腔像で心基部から中央部、側下壁にかけ
て信号上昇あり、心尖壁にも同様に信号上昇を認めた(Fig. 1)。遅
延造影では心基部から中央部、側壁から下壁、中隔下壁に中層主体の
造影効果を認めた。

LGE 陽性域の非造影 T1 値は正常範囲内であった(T1 値:1,2461,274ms)。

cMRI によって心筋浮腫を示唆する所見を確認したが、患者の体調も
良かったため、入院 7 日目に退院となった。

心筋炎発症 6 週後と 19 週後に、追加で cMRI スキャンと運動負荷 ECG
を実施した。6 週後と 19 週後の心臓 MRI は、下壁に中層主体の LGE
の存在を示した;しかし、造影域は減少していた(Fig. 1)。最初の
cMRI 所見と同様、LGE 陽性と決定された領域で native T1 値は正常範

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