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資料1-2-3-1   薬機法に基づく製造販売業者からの副反応疑い報告状況について(コミナティ筋注・集計対象期間における基礎疾患等及び症例経過) (34 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000208910_00056.html
出典情報 第89回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、令和4年度第21回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(合同開催)(12/16)《厚生労働省》
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チン接種後の副反応として顔面神経麻痺の報告が散見されるようにな
った。今回、COVID-19 ワクチン接種後に生じた無疱疹性帯状庖疹
(ZSH)、およびインフルエンザワクチン接種後に生じた Bell 麻痺の症
例を当科で経験したため、若干の文献的考察を踏まえて報告した。症
例 1 は 64 歳女性であった。COVID-19 ワクチンの接種 5 時間後から右
後頭部痛が出現し、2 日後に右顔面神経麻痺が出現した。顔面神経麻
痺スコアは柳原法で 0/40 で他に有意な異常は認めなかった。保存的
治療を行ったが麻痺の改善なく、神経興奮性検査(NET)で患側の反
応なく、顔面神経減荷術を施行した。当初は Bell 麻痺の疑いであっ
たが、経過中に測定したペア血清で VZV-lgM、IgG の 4 倍以上の上昇
を認め、ZSH と診断した。

ワクチン接種後の顔面神経麻痺は、副反応全体の約 0.6%との報告が
あり、非常に稀である。そのメカニズムについては、ウイルス再活性
化の誘引について、COVID-19 ワクチンでは一過性のリンパ球減少
が、インフルエンザワクチンではアジュバントが関与しているのでは
ないかとの報告がある。

症例 1 においては確かにワクチン接種後数日以内の段階で一過性のリ
ンパ球減少が生じていた。ワクチン接種と顔面神経麻痺との因果関係
については依然として不明な点が多いが、今後も同様の症例があれば
注目して対応していきたい。

ワクチン接種後の顔面神経麻痺は、インフルエンザや髄膜炎菌、その
他の予防接種で起こりうる有害事象として報告されてきた。昨今、C
OVID−19の流行に伴い、COVID−19ワクチンの接種率が
世界的に向上してきたが、同ワクチン接種後の副反応として顔面神経
麻痺の報告が散見されるようになった。

今回、COVID-19 ワクチン接種後に生じた 3 例、およびインフルエン
ザワクチン接種後に生じた 1 例の顔面神経麻痺症例を当科で経験した
ため、若干の文献的考察を踏まえて報告する。

症例 1 は 64 歳女性。COVID-19 ワクチンの接種 2 日後に右顔面神経麻
痺が出現した。顔面神経麻痺スコアは柳原法で 0/40 で外耳道に水癌
形成を認めた。VZV-IgM、IgG はペア血清で 4 倍以上の上昇を認め、
不全型ハント症候群と診断した。ステロイド漸減による保存的治療を
行ったが麻痺の改善なく、顔面神経減荷術を施行した。

症例 2 は 37 歳女性。COVID-19 ワクチンの接種数時間後に右顔面神経

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